「障害者とアートをつなぐ」メノキプロジェクト

障害のあるなしにかかわらず、だれもが自分らしく生きられる社会の一助になりたい―。一般社団法人メノキは、この思いを基に活動を続けています。


2021年秋、視力を失った彫刻家・三輪途道(みわみちよ)を核に一社メノキは誕生しました。活動の根底にあるのは、見えなくなっても彫刻家であり続ける三輪の、「見えなくなって見えてきたものを社会に還元したい」という思い。その気概を実現すべく様々な活動を展開しています。


具体的には「触って鑑賞する」彫刻展の開催。触って遊べる「共生上毛かるた」の創作・普及。視覚障害者と晴眼者の新たなコミュニケーション手段である「触察(しょくさつ)」の研究。この3事業を活動の柱に、見えない人も見えにくい人も見える人も、だれでもが芸術に触れ、楽しめる環境づくりの実現をめざしています。


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視覚障がい者と晴眼者が交流できるように、障がいのある人もない人も、文化財の魅力や芸術鑑賞を楽しめるように、展覧会の開催やイベントの企画に力を入れています。私たちの活動に協力して、文化や芸術の魅力や面白さを共有しませんか?

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  メノキクラブとは

2021年秋、彫刻家の三輪途道(みわみちよ)が視覚を失ったことがきっかけで一般社団法人メノキは誕生しました。それか2年半。見えなくなっても彫刻家であり続ける三輪の、「見えなくなったからこそ見えてきたものを社会に還元したい」という強い思いからスタートした活動は、障害者を取り巻く壁を取り払い、誰でもがアートとつながれる場や環境づくりを目指して歩んでまいりました。

2022年度は、「見えない人にとっての目である手」に注目。「触る」を考えました。前橋市のギャラリーで「ミルコト ミエナイコト サワルコト すべての人の感じる彫刻展」を開催。出品の全彫刻作品を触って鑑賞するという、民間ギャラリーとしては全国でもあまり例のない大規模な展覧会として注目を集めました。

2023年度は、視覚障害者のアテンドと対話型の美術鑑賞を支える人材養成講座を群馬大学と連携して行ったほか、国際現代芸術祭・中之条ビエンナーレ、群馬県立館林美術館の企画展「ヒューマンビーイング藤野天光、北村西望から三輪途道のさわれる彫刻まで」に参加。いずれも触覚を意識した、視覚だけに頼らない独自の催しとなりました。

そして2024年度は、「触る鑑賞」をさらに深めた「触察(しょくさつ)」の研究を深めます。「触察」とは手指の触覚で物事を感じとり詳しくその状態を明らかにすることです。触りながら語り合うことで新たな美術鑑賞が可能になると考えられています。触察に関しては、数年前から制作を進めていた福祉共生版の「みんなとつながる上毛かるた(触って楽しむかるた)」が完成、教育現場でインクルーシブ教育の教材として使われ始めました。また、昨年度に続き、障害を持つ人がいつでも美術館で作品を鑑賞できるようサポーターを養成する講座を開催します。

一社メノキは、三輪途道という視力を失ったアーティストの目線を大切に活動する独自の存在です。視覚障害者と晴眼者の交流を軸に、障害の有無にかかわらず誰でもが美術鑑賞や制作を楽しめる―そんな社会を実現するための一助になりたいと考えています。

メノキの「メ」は目であり、芽でもあります。「キ」は木。木の芽を吹かせ、心の目を育てあげていきます。私たちの活動にご理解いただき、賛同の輪を広げていけるよう継続的なご支援をいただきたく、皆さまのご協力をお願い申し上げます。

2024年5月吉日

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